亜人 16巻 感想
車がなかったため、行きたいときに漫画を買うことなど出来なかったが、今なら漫画を時間があるときに買いに行ける。
今日、紹介する漫画は亜人の16巻である。
あらすじを要約すると、フラッドが起こるわ亜人の起源が一応分かるわ、である。
オグラ・イクヤってやっぱり良いなあ。
以上が私の感想である。
オグラ・イクヤは原作の2巻から登場しているキャラクターである。そのため、1巻から登場しているキャラクターに比べて、人物像に変化がないイメージだ。
だが、この16巻は私のオグラ・イクヤ像を大きく変えた。
オグラ・イクヤは入間基地に向かおうとしている二人の若者に車に乗せてもらう。
車の中には眼鏡の男とガタイのいい男がいて、ガタイの良い男はオグラ博士の吸ってる煙草に気づき、話が弾む。
オグラ博士は煙草を息子に買ってもらったと言って吸い、8歳の時に亡くなったという。
そして、オグラ博士は宇宙は予め運命が定められており、人生は無意味であるということから亜人の起源の話が始まる。
亜人の起源を話し始めた後、眼鏡の男に論理性が欠けていると問われると、無意味な人間の生や運命に抗うものを信じたいとオグラ博士は語る。
オグラ博士の印象というのはステレオタイプな科学者ではないし、拷問されている時ですら煙草のことを気に掛けるやばい奴、という印象だった。
人生の意味や運命に抗える人間を信じたいが、自分では信じられないめんどくさい人間である。
上記の感想を抱いたときに、ふとオタキングこと岡田斗司夫氏の心理デッサン、心理デフォルメの話を思い出した。
かみ砕いて説明すると、心理デッサンが何故人間はゆがむのかを説明している漫画であり、心理デフォルメは人間の歪な心をキャラにしている漫画である。
私は16巻を読むまではオグラ博士の印象は、拷問中でも煙草の話をやめないなどの心のゆがみをキャラ化してかっこいいと思っていたが、16巻でオグラ博士のおかしさをキャラ化せずに、人生は無意味といいながら亜人は意味を見出すといったりして、めんどくさい男だなと思って心理デッサンの話を思い出した。
主人公の圭は勿論、田中も戸崎もオグラ博士も意外に中野もめんどくさい。
人間のめんどくささに焦点が当たっている作品は面倒くさいかもしれないが、読んでほしい。