進化とデブと理性
ここに告白しよう。
私は太っている。今年で23になる若者なのにも関わらず、「脂肪肝」と医者に告げられた。
何故だろう。
不摂生?運動不足?いいや、違う。
それらも原因ではあるが、私はもっと本質に迫りたい。
おそらく、人間の進化こそが原因だ。
まず、話を広げる前に「進化」に対しての認識を改めなければならない。
「進化」という言葉は、一般的に前向きな言葉として使われる。
例えば、「昨日の自分より進化しよう」とか、テストで前回よりも良い点数を取った時に「進化したな」とかだ。
だが、この使い方は誤りだ。なぜなら、「進化」はでたらめで一時しのぎなものだからだ。
一般的な「進化」の説明として「キリンの首が何故長くなったのか」ということが挙げられる。そこでは、高所にある餌を食べるために首が長くなった、と説明される。
だが、正確に自然淘汰を説明したいのならば次のように説明するべきだ。
キリンには、首の長いものも短いものも、脚の長いものも短いものも、模様が縞のものも網目のものも、多くのものがいたのだが、結果的に首の長い奴が生き残った、と。
説明をするときに気を付けるべきことは、たまたま~なった、と伝えることだ。
これで、「進化」がでたらめで一時しのぎなものであることが分かった。
それでは何故、人間の進化が私の肥満、脂肪肝の原因なのだろうか。
今日の人間のホルモンとか生理機能は、「サピエンス全史」などでいわれているように狩猟採取時代にできた説がある。
想像してみてほしい。狩猟採取時代には現代のように高カロリーだったり、糖質を含む食事を安定して摂ることができないのだ。そんなときには、後先考えず、カロリーの高いもの、糖質を摂ったほうが生き残れるだろう。つまり、我々の体は周囲の環境を未だに30万年前のジャングルだと思い込んでいるのだ。それに、血糖値を下げるホルモンはインスリンしかないが、逆に上げるものはたくさんある。
以上のように説明したが、所詮は言い訳に過ぎないし、私の肝臓が悪い事実に変わりはない。しかし、物事には歴史があるし、浅くとも深くとも理由が存在することを私は言いたかったのだ。また、「進化」というでたらめなものに対抗できるのが人間の「理性」ではないのであろうか。さあ、「理性」をもって「進化」に対抗しよう。