デビルマン crybaby 感想

 私はデビルマン crybabyを2か月ほど前に見たのだが、どうにも忘れられないシーンがある。そのシーンとは、牧村美樹を喪った不動明のもとにデビルマン軍団が駆け付けたところだ。

 この作品においての牧村美樹は、多数のフォロワーを持つ学生兼スポーツマンだ。物語の進行に伴い、デーモンの脅威が明らかになると、作中の人類は悪魔狩り――なお、実際は無関係の人間や嫌いな人間をリンチしたりする――を行う。

 そして、牧村美樹はそんな悪魔狩りに対して「NO」を突き付けるも、醜い人間の本性を示すアンチコメントや中傷、嘲笑などが彼女のもとに届く。その後、美樹は「ワイはデビルマン」――もちろんこの言葉も中傷コメントが多数派だ――と世間に突き付ける。これらのシーンのあと、美樹は暴徒に殺され、不動明は人類に絶望し暴徒たちを炎で焼き殺す。

 だが、このデビルマンcrybabyでは不動明は人類に絶望したのか。この問いに対しては、私は「人類に絶望していない」と考える。

 何故だろうか。私は、冒頭で不動明のもとにデビルマン軍団が駆け付けたシーンが忘れられないと述べた。このシーンでは、美樹の「ワイはデビルマン」に触れているデビルマンがいる。結局のところ、美樹のデビルマン発言はネットを通して、世界中に広がったのではないだろうか。また、美樹の存在が明の戦う動機である。美樹の価値観や善意が広がった以上、彼は人類に絶望したりしないのではないだろうか。

 以上が長く語ってしまったが、私のデビルマンcrybabyについての感想だ。